ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「なんで帰ったんだよ?」


仁におぶられ、耳元で頬を膨らませた。


『電話で言った』


「中村から訊かなかったか?もう少しだって」


『聞いたけど、何も信じられなくなった……』


「ごめん」


『どうして分かったの?公園にいるって、泣いたから?』


「お前の後ろ姿が見えたから。そのあと泣き出すから、すげー焦った。
でも無事でよかった」


『きれいな姿で会いたかった』


「もう少し待っとけばよかったのに」


『……寝る』


「はあ?」


『着いたら起こして?つき合ってあげるよ、遅れたクリスマスに』


背中に顔を寄せ、仁の心音を聞きながらゆっくりと目を閉じた。