ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『ねぇ……』


「んー?!」


『柚樹と何してたの?』


「何って、別に」


『じゃあ、どうして私を誘ったの?』


「どうしてって……」


『一人でカワイそうだったから?同情?』


「違っ」


『来なきゃ良かった』


喋る度涙で視界が霞み、ワンピースにシミを作ってはまた視界を濁した。


『何日も前から準備してたんだよ?仁の為にオシャレして、メイクもしたの。もうボロボロになっちゃったけど……それからプレゼントも用意したの。でも、渡せないね』


隠しもせず泣いた。声を上げ、嗚咽しながら、ワンワン泣いた。今の私は子供以上に子供だ。


『うっ、ハァ…帰りたいっ』


俯く足元に、誰かの靴が見えた。


「帰ろう、葉瑠」


差し出された手に、顔を上げると微笑む仁がいた。


『嫌だ』


「帰ろう?お願いだから」


『……。』


その優しい声に渋々立ち上がると、抱きしめられた。


「心配させんなよ。もう会えないかと思った。よかったぁ……」


掠れていく声を耳元で聞きながら、仁の服を掴んだ。服にシワが残るほど強く強く……