ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「もしもし?緒方さん今はダメみたい」


『そう』


「大丈夫?」


『うん、大丈夫』


なんて言ったけど、正直限界だった。いっそ帰ってしまおうか?いつまで待てばいいかも分からず、胸の辺りがムカムカしだした。
せっかくオシャレして、慣れないメイクも頑張ったのに、1人で舞い上がってバカみたい。


「もうすぐだから」


『何がもうすぐなの?』


「えっと……」


『言えないんでしょ?』


「ごめん」


長いため息を吐き泣いてる事を悟られないよう電話を切った。
ついでに電源を落とすと、来た道を戻った。
 仁はあの場所で何をしようとしたんだろう?学校を出ると空を見上げ校舎に振り返った。


『バイバイ』


歩き出した時、誰かに名前を呼ばれた気がした。