『いつ来るのかな?』
白い息が空に上り、来る気配のない校舎を見つめ続けた。
『おばあちゃんはもっと真っ暗な中で待ってたのかな?』
昨日の話はワクワクしたのに、いざ自分が同じ立場になると怖くて待ってるのがやっとだった。
それから3時間が経ち、泣きそうになりながら街灯で照らされた不気味な校舎に目向け続けた。
『まだかなぁ……』
ちょっとした物音にビクビクしながら、ケータイを握りしめ目を閉じた。
『…うぅ…っ…』
帰りたい気持ちでいっぱいの中、仁に電話をかけると、ここには居るはずのない柚樹の声が聞こえた。
「もしもし?葉瑠?」
『なんで柚樹が出るの?』
「……ちょっと緒方さん手が離せなくて、多分もう少しで行くと思うから」
変な間の後、明らかに様子のおかしい返事が返ってきた。
『柚と一緒なの?』
「うん」
『……まだ家ってこと?』
すべてが分からなくて、泣きたくなった。
「違うけど──」
それっきり何も話さなくなってしまった。
『柚樹、仁に変われる?』
「訊いてみる」
『うん』
受話器の向こうは騒々しく、その会話を聞きながら、私は何をしてるんだろうと思った時、涙が流れた。
白い息が空に上り、来る気配のない校舎を見つめ続けた。
『おばあちゃんはもっと真っ暗な中で待ってたのかな?』
昨日の話はワクワクしたのに、いざ自分が同じ立場になると怖くて待ってるのがやっとだった。
それから3時間が経ち、泣きそうになりながら街灯で照らされた不気味な校舎に目向け続けた。
『まだかなぁ……』
ちょっとした物音にビクビクしながら、ケータイを握りしめ目を閉じた。
『…うぅ…っ…』
帰りたい気持ちでいっぱいの中、仁に電話をかけると、ここには居るはずのない柚樹の声が聞こえた。
「もしもし?葉瑠?」
『なんで柚樹が出るの?』
「……ちょっと緒方さん手が離せなくて、多分もう少しで行くと思うから」
変な間の後、明らかに様子のおかしい返事が返ってきた。
『柚と一緒なの?』
「うん」
『……まだ家ってこと?』
すべてが分からなくて、泣きたくなった。
「違うけど──」
それっきり何も話さなくなってしまった。
『柚樹、仁に変われる?』
「訊いてみる」
『うん』
受話器の向こうは騒々しく、その会話を聞きながら、私は何をしてるんだろうと思った時、涙が流れた。


