12月に入り、また少しクリスマスに近づいた。仁へのプレゼントも買い、あとはその日が来るのを待つだけになった。
 綺麗に包装したCDを忘れないようカバンの中に入れ、当日着る服を選びに掛かった。
外にいても寒くないようにと青いコートを掛け、あーでもないこうでもないと呟きながら、シンプルに淡い桜色のワンピースを着ることにした。
コートで隠れても、やっぱり好きな人の前では可愛くいたい────


 それからまたクリスマスに近づいたある日、久しぶりに仁からメールが来た。
そのメールには当日の時間と【25日、少し遅れるかもしれない】と書いてあった。それに【分かった】と返すとベッドに倒れた。


『6時…桜の下…クリスマス……何するんだろう?』


全然繋がらない時間、場所、日付を呟き手探りで掴んだケータイを見つめた。


『どうして遅れるんですか~?』


聞けずにいる言葉を、答えの出ないケータイにぶつけた。