ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 教室に入ると出て行く綾と目が合い、にっこり笑って帰って行った。


『綾と何話してたの?』


「別に…」


相変わらずな返事に、机に伏せため息をついた。その時、高橋にもらった飴の存在を思い出し、ポケットに入れていた飴を取り出し眺めていると、横から伸びる手が飴を奪っていった。


『あっ…!』


飴を追うと、冷やかな目が私に向けられた。


「誰にもらったの?」


『高橋に、返してよ』


「ふ~ん。よかったじゃん」


真顔で言うと、飴を握りしめたまま立ち上がった。


『あ…、帰るの?』


訊いても返事はなく、黙ったまま私の前から居なくなった。


『なにあれ……私の元気玉』


机に伏せ目を閉じると、眠気が襲ってきた。


「葉瑠、ここで寝ちゃダメだよ?!」


『綾、どうしたの?』


「ちょっと忘れ物とりに」


『ふ~ん』


「ってか緒方は?」


『あぁ…なんか先に帰ったみたい』


「えっ!?また何かあったの?」


その言葉に微苦笑した。


『分かんないけど、多分、私が悪いんだと思う』


「葉瑠……」