ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『黙ってて、ごめんね』


「いいよ、時間が経ってもちゃんと言ってくれた事、嬉しすぎたから!」


そう笑うとまた抱きついてきた。


「俺も抱きしめて~」


「嫌だ~」


綾と先生がじゃれるのを見ながら、話して良かったと素直に思った。
 その後水樹と一緒に帰る綾を見送ると、ベッドに倒れた。


『はあー』


「何もおこらなくてちょっと残念」


『ドラマの見すぎです』


「いい友達だな?」


『はい。大切な真友(しんゆう)です』


 保健室から教室へ戻ると、さっき帰ったはずの綾が仁と話してるのを見つけた。


『何話してるんだろう?』


話が終わるのを待ってると、「何してんの?」と高橋に声を掛けられた。


『ちょっとね』


「あ、これやるよ!」


『飴ちゃん?』


「今朝は2つもらったから」


『ありがとう』


あの日以来、私がこうして1人でいると、飴をくれるようになった。


「終わったみたいだぞ?」


『あ、うん』


「じゃあ」と立ち去る間際、髪をポンポンと撫でて行った。その高橋らしくない行動に、思わずドキッとしてしまった。