『綾は?』
私の返事を聞いてから、ムッとした顔で仁を見ている綾に訊くと、「うん…」と曖昧な返事が返ってきた。
仁と綾に挟まれ、ため息を吐くと、水樹と柚樹が手招きをした。
『……?』
その場を離れ2人の側に行くと、「ここにいていいよ」と2人の間を開けてくれた。
『ありがとう、でももう行くから』
2人に手を振りその場を抜けた。
「葉瑠?」
綾の声に振り向かず、ひたすら階段を下りた。
いつから綾と仁は仲が悪くなったんだっけ?
階段を下りながら記憶を辿ると、水樹と話して数日たってからだと思い出した。うっかり口を滑らせたのか、そんな素振りを見せない水樹は綾になんて言ったんだろう?
「さくら?」
『えっ?』
廊下から出てきた浦田先生が、私を見て言った。
『桜庭です。まだおばあちゃんの名前で呼んでたんですか?』
ここ最近、浦田先生は私の事を“さくら”と呼ぶ。その原因は一週間前、今日みたいな雰囲気になり、行く場所もなく何となく入った保健室で、これまた何気なくおばあちゃんの話をしたのがきっかけで変なあだ名で呼ばれるようになった。
「いいあだ名だと思うんだけどなぁ、名前に桜が入ってて、桜木の下によく居て、おばあさんの名前が桜さん!これ以上似合うあだ名はないね!!」
呆れて何も言えなかった。
「で、来るの?」
『へっ?』
私の返事を聞いてから、ムッとした顔で仁を見ている綾に訊くと、「うん…」と曖昧な返事が返ってきた。
仁と綾に挟まれ、ため息を吐くと、水樹と柚樹が手招きをした。
『……?』
その場を離れ2人の側に行くと、「ここにいていいよ」と2人の間を開けてくれた。
『ありがとう、でももう行くから』
2人に手を振りその場を抜けた。
「葉瑠?」
綾の声に振り向かず、ひたすら階段を下りた。
いつから綾と仁は仲が悪くなったんだっけ?
階段を下りながら記憶を辿ると、水樹と話して数日たってからだと思い出した。うっかり口を滑らせたのか、そんな素振りを見せない水樹は綾になんて言ったんだろう?
「さくら?」
『えっ?』
廊下から出てきた浦田先生が、私を見て言った。
『桜庭です。まだおばあちゃんの名前で呼んでたんですか?』
ここ最近、浦田先生は私の事を“さくら”と呼ぶ。その原因は一週間前、今日みたいな雰囲気になり、行く場所もなく何となく入った保健室で、これまた何気なくおばあちゃんの話をしたのがきっかけで変なあだ名で呼ばれるようになった。
「いいあだ名だと思うんだけどなぁ、名前に桜が入ってて、桜木の下によく居て、おばあさんの名前が桜さん!これ以上似合うあだ名はないね!!」
呆れて何も言えなかった。
「で、来るの?」
『へっ?』


