「じゃあ」


『バイバイ』


手を振りながらふと思った。最近仁と顔を見合わせて笑ったのはいつだろう?と、勝手に距離を置く仁をもう好きになるのは止めようと思うのに、ふとした仕草にドキッとして、好きになることを抑えられない。


『はあー…』


 翌朝、仁に12月の予定を聞かれ、冬休みが近づいてるんだと思った。また、仁に会えなくなってしまう……


『なにも?両親は仕事で、おじいちゃん達とも出掛ける予定もないし……』


それを聞いてホッとしてる仁に、イラッとした。距離を置くなんて言いながら、クリスマスの予定を訊いてきたから。


『クリスマスは、おじいちゃん達と小さなクリスマスパーティーすると思う』


「そう」


そこで会話が終わった。ちょっと期待してた分、ショックが大きかった。


「葉瑠は、クリスマスどうするの?」


お昼休みに屋上の踊場に並びご飯を食べてると、綾にも質問された。


『私は……』


チラッと仁を見て、予定はないと答えた。