「もう少しだけ、今だけだから」
そんな事をずっと呟いていた。
『……あのね、私あの人に文化祭当日の朝』
「会ったんだろ?」
『うん、ずっと言えなくて』
「響心に聞いた。ごめんなさいって伝えてくれって。俺と一緒に居るの見て知ってたらしくて、ワザと声かけたって」
『そう』
──仁は私を家まで送ると、おばあちゃんに“叩いてしまってすみませんでした。”と深々と頭を下げた。
それを見たおばあちゃんはニッコリ笑って、たった一言「葉瑠をよろしく」と言った。
あの後、仁とどんな話をしたのかは分からないけど、その日を境に赤い車を見る事はなくなった。そして、私に対する仁の態度も急に変わった。
あからさまに避けてるのを見る度、胸がズキンっと痛んだ。
そんな事をずっと呟いていた。
『……あのね、私あの人に文化祭当日の朝』
「会ったんだろ?」
『うん、ずっと言えなくて』
「響心に聞いた。ごめんなさいって伝えてくれって。俺と一緒に居るの見て知ってたらしくて、ワザと声かけたって」
『そう』
──仁は私を家まで送ると、おばあちゃんに“叩いてしまってすみませんでした。”と深々と頭を下げた。
それを見たおばあちゃんはニッコリ笑って、たった一言「葉瑠をよろしく」と言った。
あの後、仁とどんな話をしたのかは分からないけど、その日を境に赤い車を見る事はなくなった。そして、私に対する仁の態度も急に変わった。
あからさまに避けてるのを見る度、胸がズキンっと痛んだ。