『対処法?ずっと知らなくていいんじゃない?
必要なさそうだし』
「謝ったのになんで怒んだよ?!」
『私の涙返せ!!』
「お前が勝手に泣いたんだろ?勝手に泣いて、勝手に帰ろうとするから」
『わざわざ引き留めなくても良かったのに』
「……引き留めなかったら、口聞いてもらえない気がしたから」
『柚樹みたい』
「一緒にすんなよ」
『じゃあ誰と一緒なら良い?水樹?綾?高橋?』
それを聞いていた仁はニッコリ笑うと、「なんで俺が好きになる人は、みんな俺から去ろうとするだろうな?」と言った。
『今のコ…──』
「シーッ!!」
指を唇に当て、ニヤリと笑う顔が近づく度、手に爪の跡が残りそうなほど握りしめた。
チュッ!と一瞬だけ触れた唇は、イジワルな笑顔と共に目の前に現れた。おでこを抑え目を逸らしたままの私に、無理やり視界に入ろうと覗き込む仁の笑顔が見えた。
「お子ちゃまはここで十分。唇にすると思ったろ?!」
おでこをつつきながら、楽しそうに笑う姿に恥ずかしくて何も言えなかった。図星だから余計ムカつく!!
唇を噛み締め、仁を押しのけるとドアノブに手を掛けた。
必要なさそうだし』
「謝ったのになんで怒んだよ?!」
『私の涙返せ!!』
「お前が勝手に泣いたんだろ?勝手に泣いて、勝手に帰ろうとするから」
『わざわざ引き留めなくても良かったのに』
「……引き留めなかったら、口聞いてもらえない気がしたから」
『柚樹みたい』
「一緒にすんなよ」
『じゃあ誰と一緒なら良い?水樹?綾?高橋?』
それを聞いていた仁はニッコリ笑うと、「なんで俺が好きになる人は、みんな俺から去ろうとするだろうな?」と言った。
『今のコ…──』
「シーッ!!」
指を唇に当て、ニヤリと笑う顔が近づく度、手に爪の跡が残りそうなほど握りしめた。
チュッ!と一瞬だけ触れた唇は、イジワルな笑顔と共に目の前に現れた。おでこを抑え目を逸らしたままの私に、無理やり視界に入ろうと覗き込む仁の笑顔が見えた。
「お子ちゃまはここで十分。唇にすると思ったろ?!」
おでこをつつきながら、楽しそうに笑う姿に恥ずかしくて何も言えなかった。図星だから余計ムカつく!!
唇を噛み締め、仁を押しのけるとドアノブに手を掛けた。


