ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『そのうち会えるよね?とりあえず、何か食べよう?』


グゥ~っと鳴りそうなほど、いい匂いが漂う模擬店には、お好み焼き・たこ焼き・焼きそば・ラーメンとどれも美味しそうな食べ物ばかりが連なっていた。
 あれもこれもと行ったり来たりするなら、それぞれ好きなものを買って後で合流しよう。ということになり一旦別れた。


 ──数分後、偶然鉢合わせた所で場所を中庭に移し、互いに買ったものを並べた。


「それだけ?」


量の少なさに仁が驚いていた。


『そんなに食べれないし、残したらもったいないから』


唇を割り箸でペチペチ叩き空腹なのを訴えると、漸くお昼が食べられる!と割り箸割った時「今お昼?」とメイド服にチワワ耳を持った綾が、浮かない顔で隣に座った。


『どうしたの?』


「どこにも居ない!!」


『誰が?って水樹しかいないか』


コクリと頷くと「柚樹はいたんだけど……」と指差した方を見ると、燕尾服を着てケータイ片手にウロウロする柚樹がいた。


「水樹に電話してるの」