ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 教室に戻ると、当日着る衣装がラックに掛かけられ、教室の隅に並べられていた。
散々悩んだ末うちのクラスのは喫茶をやることにした。普通じゃつまらないと、執事やメイドの案を押しのけ可愛いからの理由でチワワになった。


「葉瑠は着ないんでしょ?」


衣装を眺めていると、隣に来た綾が言った。


『うん、調理専門だから。着たら写真とろうね?』


「それはいいけど、なんでチワワの耳付けなきゃいけないの?恥ずかしすぎる~!!」


『可愛いじゃん?付けて水樹にワン!って言ったらヨシヨシってされるかもよ?首輪とかつけられたして!!』


「止めてよ~!」


なんて言いながら頬を紅くする綾に、『あとさ』と続けた。


『柚樹も似合いそうじゃない?個人的に着せたいんだけど』


「えっ!?どっちを…?」


男子用の衣装を眺める綾に、女子用の衣装を指差し『こっち』と答えた。


「やっぱり。それは、止めとこうか」


『ぶぅ~』