ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「ちゃんと待ってたな?」


店から出てきた仁は私の向こうに目を向け、眉間にシワを寄せた。
そして、目の前にしゃがむと袋の中から消毒液をだした。


「怪我したとこ出せ」


『怪我?ああ…!』


「早く」


思いっきり転んだ時に出来た膝の傷を見せると、顔をしかめた。


「滲みるから我慢しろよ?それと、手も怪我したろ?」


『うん』


消毒されてる間、仁の手元をジッと見ていた。


「なあ、猫いんの気づいてる?」


言われて隣を見ると、顔の真ん中から綺麗に白と虎に別れた猫が、我が物顔で座っていた。


『あの物音はキミか!おいで?』


手を伸ばすと、指先の匂いを嗅ぎ顔を背けた。


『ノラかな?』


「手出して」


『でも逃げないから、って痛い!』


消毒液が傷口に滲みて、手を引っ込めた。


「まだ終わってないから」


引っ込めた手を掴まれ、消毒された後、両手にバンソウコが貼られた。


「よし終わり!」


『あ、ありがとう』


「で、これからどうする?」


『…どうしよう?』


「俺に聞くなよ」