ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 二人と別れ、神社を出ててからどのくらい歩いただろう?歩きすぎて足が痛い。


『はぁー…あれは仁に言えないな』


「どんな事?」


後ろから声が聞こえ、振り返ると仁が私の方に向かって来ているところだった。


『なんで?』


後ずさり、一心不乱に走った。


「なんで逃げんだよ!!」


走りにくい下駄を鳴らし、必死に逃げた。


「捕まえた。おい、なんで逃げんだよ!!」


息を荒くし、途切れ途切れ話す質問には答えなかった。


「とりあえず、どっか座ろう」


ブツブツ言いながら私の前に来ると、背を向けしゃがんだ。


「足、痛いんだろ?早くしろよ」


 黙っておぶさると、知らぬ間にできてた傷がジンジンと痛み始めた。


「下駄落とせ」


『え?』


「下・駄。邪魔だから」


言われた通り下駄を落とすと、それを拾い歩き始めた。