ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 ──いつもの桜の木の下、相変わらずな仁とお昼を過ごしていた。


「そういえばそろそろだな。」


木に寄りかかり、少し眠たそうな声を出す仁に『何が?』と訊き返した。


「ん? 桜祭」


『なに、それ?』


「はっ?」


唖然とする仁に学校のパンフレットをちゃんと見たかと聞かれた。


『パンフレット? ん~…』


思いだそうと記憶を辿っては見たものの、そんな記憶は残ってなかった。


『覚えてない…桜祭って事は、学園祭とか文化祭みたいな行事?』


「…お前、本当すげぇな!」


『でも、合ってるんでしょ?』


「まあ…」


『よし!』


小さくガッツポーズを決めると、いつやるのか訊ねた。


「桜祭?」


『うん。』


「確か…一週間後とかそん位だったと思うけど。」


『一週間後!?』


驚く私をよそに、仁は冷静にこう言った。


「まあ、俺らには関係ないらしいから、詳しい事は覚えてねぇけど。」


『そう。でも、何もしなくて良いのかな?』


「何もって?…お前、なんか勘違いしてね?」


寄りかかってた仁が体を起こし言った。