ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「神宮寺 守です。緒方には驚かされる事がたくさんあるでしょう?」


『はい…』


「二年生までは優等生だったのにどこで間違えたのか、帰って来たときは存在感が無くてねぇ…。
なのに暴れ出すから、おもしろくて!飽きなかったなあ」


そう豪快に笑う神宮寺先生を見てると、なんだかはじめましてとは思えなかった。


「お前に似てるだろ?」


ボソッと、言うと肩を震わせていた。
 神宮寺先生に似てると言われて、怒る気になれないのは、私もどこかでそう思っていたからかも知れない…─


「それじゃあ、そろそろ帰ります」


職員室に来てから30分、仁の言葉で話が終わった。仁の中学時代の話を楽しそうに話していた神宮寺先生は、やっぱり悲しそうだった。


「また顔出すんだぞ!」


「はい、気が向いたら」


「生意気な!桜庭さん、緒方をよろしく」


『はい!!』


「余計な事言うなよ!」


そんな会話の中には常に笑顔があり、神宮寺先生が羨ましくなってしまう。
 ──その場を去ろうとした時、仁が呼び止められた。


「あ、緒方!ちょっといいか」