ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

笑う理由を訊ねると、一週間前、オニギリを進めてきた時の顔を思い出したのだと言う。それにしても…


『笑いすぎ!』


「だって、顔…」


『(失礼な!)いただきます!』


1人思い出し笑いをする仁を放っておき、いつものようにオニギリを食べ始めた。


『ん~美味しい』


「プッ!」


吹き出す仁に、質問をした。


『なんでそんな顔出来るのに、みんなの前で話さないの?』


その質問をした途端、ピタリと笑いが止んだ。


「…それは、気になることか?」


ズレたメガネを直し、低めの声で聞いてきた。


『ただの疑問。何でかなって思っただけだから。』


そう返して、またオニギリにかぶりついた。


「やっぱ、変わってるわ」


口一杯にオニギリを頬張り『ガリレオですから!』と少し胸を張り誇らしげに言うと、「はいはい」と呆れた声がした。
 去り際、あの一週間の間に何があったかを教えてくれた。
それによると私がみていた人は、仁がある事情で知り合った、この学校の男子だったらしい。