「お前には嫌な話しでしかなかったのに、聞いてくれてありがとな?」
立ち止まり、顔を上げた私の髪をくしゃっとした。
『うん。でも、なんで今だったの?』
「ここに来たいって言われてから考えてたんだ。お前になら、俺の傷を見せてもいいのかなって……あの日、初めてお前に会ってから変な奴だとは思ってたけど、やっぱり変な奴だ」
『ガリレオなめんなよ?』
「だから、自分で名乗んなって!」
2人顔を合わせて、思い切り笑った。なにがおもしろいのか分からないけど、笑ってた。
再び歩き出した仁に引かれ、着いた場所は屋上の踊場だった。
『屋上いくの?』
「ん、鍵借りてきた」
ドアノブを捻ると風が抜けた。
「あの日と同じ、何も変わってない」
その瞬間ギュッと手に力が込められた。
「屋上って良いよな?
大人は入れないんだぜ?……誰も追ってこれない唯一の居場所」
『唯一の居場所か……』
それ以上の言葉はいらなかった。繋がれた手がくすぐったくて、意識する度笑いが止まらなくて、壊れそうなほど胸きゅんが止まなかった。
立ち止まり、顔を上げた私の髪をくしゃっとした。
『うん。でも、なんで今だったの?』
「ここに来たいって言われてから考えてたんだ。お前になら、俺の傷を見せてもいいのかなって……あの日、初めてお前に会ってから変な奴だとは思ってたけど、やっぱり変な奴だ」
『ガリレオなめんなよ?』
「だから、自分で名乗んなって!」
2人顔を合わせて、思い切り笑った。なにがおもしろいのか分からないけど、笑ってた。
再び歩き出した仁に引かれ、着いた場所は屋上の踊場だった。
『屋上いくの?』
「ん、鍵借りてきた」
ドアノブを捻ると風が抜けた。
「あの日と同じ、何も変わってない」
その瞬間ギュッと手に力が込められた。
「屋上って良いよな?
大人は入れないんだぜ?……誰も追ってこれない唯一の居場所」
『唯一の居場所か……』
それ以上の言葉はいらなかった。繋がれた手がくすぐったくて、意識する度笑いが止まらなくて、壊れそうなほど胸きゅんが止まなかった。


