ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「うわ~、変わってねぇ」


笑いながら呟いた声に、内心ホッとしていた。
ノリで言った一言が、過去(はれもの)に触れてしまったようで、ずっと引っかかっていた。
 時々遠い目をする仁を見るたび、置いていかれたようで怖くなる。
同じ過去にいれたら、ここに来るまで何度思っただろう?


「誰かいるかな?」


学校に着いてから、さっきの沈黙が嘘のように喋り出した。堂々と校舎に入り、開いてた扉から中に入ると、まっすぐ職員室に足を延ばす背中を早足でついて行った。


「なんか、緊張してきた」


ドアに手を掛け、深呼吸し一気に開ける姿を見て、怒られてる姿がふと浮かんだ。


「失礼します」


仁が職員室に入ると、懐かしむ声が聞こえ、担任の先生らしい人の言葉を壁にもたれて聞いていた。時々聞こえる笛の音が、様々な記憶を呼び覚ます。
入学式のドキドキと不安、独特の雰囲気に匂い。全部体が覚えてた。


「見学OKだって!」


出てきた仁がメガネを直しながら私を見た。