ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 翌朝。ケータイのアラームと共に起き、ボーっとする間もなく部屋を出ると、一通り済ませ朝食を食べた。
 ワンピースに着替え、髪をセットすると、仁からの連絡を待った。


『まだかなぁ?』


ケータイを握ったまま窓に出ると、まばらに行き交う人を見下ろした。
誰一人空を見上げる事なく、コンクリートと見つめ合いながら通り過ぎていく。そんな光景を眺めていると、ケータイが震え慌てて電話に出た。


『はい!』


「そんな所でなにしてんの?」


『え?』


その言葉に身を乗り出すと、ベランダからちょうど死角になる真下から、電話の主が顔を出した。


『いつから居たの?!』


「危ねーから引っ込め!!」


『あ、ごめん』


宙に浮いたつま先をおろすと、『今、行くから!』と一方的に電話を切った──。


『行ってきます!』


勢いよく家を飛び出すと、仁の元へ駆け寄った。


「いきなり切んなよ!」


『待たせちゃ、悪いと思って』


軽く息切れしながら、乱れた前髪を直した。
それを見ていた仁が「行くか!」と私の髪に触れ、そのままクシャクシャにした。
困惑する私を見て、なにもなかったように歩き出した時、ふと見えた横顔から子供のような笑顔が見えた。