ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

後ろに両手を付き、首を掻く仁の姿を見ているうち、笑いがこみ上げてきた。


「今度はなんだ?」


『えっ?』


「あんまりニヤついてると不審者と間違われるぞ?」


『あはは……』


どうしていつもカッコ悪い所ばっかり見せてしまうんだろう…と反省してると、フッと微かに笑い声が聞こえ、顔をあげると「行くとこ決まった?」


『あ、まだ…』


「そう。まぁ、遊園地以外ならどこでもいいから」


『うん』


改めて言われると悩む。
遊園地以外、なんて言われても幾つか候補がある中から選べって言うなら選べるけど…。


『どこでもいいって言われると困る』


うーんうーん唸ってると、提出物を片付けながら仁が言った。


「そんな悩む事か?」


『仁は行きたいところ無いの?』


「特には」


『じゃあ、水族館とか公園とかでも?』


「大丈夫だけど」


『んー…じゃあ…』


『仁が通った中学…』


「行ってどうすんの?」


言い切る前に言葉が被さり、片づける手が止まった。