ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「桜庭ってさ、教科書が友達なの?」


その声に顔を上げると、なぜ話しかけてきたのか、高橋が真顔で訊いてきた。


『なに、いきなり』


あまり関わりたくなくて、視線も合わせず返した言葉に、高橋は「別に…」と前の席に腰掛けた。


「なあ、お前って友達いんの?」


きっと悪気はないんだと思うんだけど、ただ、イラッとした。


『友達くらいいるよ』


「ふ~ん」


興味無さげな返事にまたイラッとした。どうして今日はこんなに高橋に悩まされるのだろう?


「なあ、平均何時間勉強してんの?」


『なんでそんな事聞くの?』


怪訝な表情をする私に、高橋がただの質問だろ?とばかりに答えを催促してきた。


『だいたい3~4時間、かな?』


「まじで!?やっぱそんくらいやんなきゃすぐには答えらんないのか」


腕を組み一人納得しながら、頷いていた。本当になにがしたいんだろう?
 その後も、高橋の質問に答え続けてる内、また時間が無くなってしまった。それでも授業は受け、なんとか一時間乗り切った。