30分後──全ての問題を解き終え、手持ち無沙汰になってしまい、やることもなく空を見上げた。耳に入るのはシャーペンが忙しく走り回る音と、時計の針が進む音だった。
『………。』
しばらく見上げた空から教室に目を向けると、未だに問題を解く仁の横顔が見えた。そんな仁を堂々と観察していると先生が声を上げた。
「はい、そこまで!」
チャイムが鳴る5分前、その声にアチコチから暗いため息が漏れた。
「ダメだ…」と端っからから決めつける人、少し解けたと喜ぶ人。色んな声がする中、静かに机の上を片付ける仁は、チャイムが鳴ったのを聞いて一番に教室を出た。
後をついて行こうと腰を浮かせた時、浮かない顔の綾が近づいてきた。
『どうだった?』
何事も無かったように座り直し、テストの出来を聞いた。
「全然ダメ……」
深く息を吐き、落ち込む綾を慰めながら、頭の端では仁の事を考えていた。もう階段下りたかな?校庭歩いてる所かな?そんな事をしているうちに、貴重な休み時間が潰れた。
『………。』
しばらく見上げた空から教室に目を向けると、未だに問題を解く仁の横顔が見えた。そんな仁を堂々と観察していると先生が声を上げた。
「はい、そこまで!」
チャイムが鳴る5分前、その声にアチコチから暗いため息が漏れた。
「ダメだ…」と端っからから決めつける人、少し解けたと喜ぶ人。色んな声がする中、静かに机の上を片付ける仁は、チャイムが鳴ったのを聞いて一番に教室を出た。
後をついて行こうと腰を浮かせた時、浮かない顔の綾が近づいてきた。
『どうだった?』
何事も無かったように座り直し、テストの出来を聞いた。
「全然ダメ……」
深く息を吐き、落ち込む綾を慰めながら、頭の端では仁の事を考えていた。もう階段下りたかな?校庭歩いてる所かな?そんな事をしているうちに、貴重な休み時間が潰れた。


