ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 翌朝、学校へ向かいながら天の川の話をしていた。
 ──淡々と授業をこなし、少しだけ賑やかな昼食の時間、話題は少し先の夏休みの予定で持ちきりだった。


『仁てさ、夏休みの宿題って先にやってた?』


「へ?」


咳払いをするとボソッと「最終日」と言った。予想通りの答えに唇が緩んだ。


「お前は?先に終わらせて悠々と過ごしてそうだな」


意地悪な笑みを浮かべると、フッとあざ笑った。


『残念、私も最後にやる派でした。小学生の時だけど』


「なんだ、小学生の時だけか」


なぜかムッとしてる仁に、頷いた。時期は限られてるけど、最終日にやっていたのは明らかな事実だから。────


 8月に入る一週間前、抜き打ちテストを開始する事を告げられ、教室内はブーイングに包まれた。抗議したって中止になるわけじゃなし、だったらさっさと終わらせたい。と無言で紙切れに向き合った。


「始め!」


その言葉の後に、カツカツカツ…と机にシャーペンが当たる音だけが響いていた。