月日は流れ、嫌われ者の梅雨が過ぎ、本格的な夏が来た。
例年より暑くなると天気予報士が言っていた通り、今年の夏は蒸し暑い。
勉強に身が入らず、開け放たれた窓から入る日差しで、ノートは燃えそうな程熱くなっていた。
半分だけ日焼けしたら嫌だなぁ…
黒板に目を遣りながら、頭の片隅ではそんな事を考えていた。
「暑くない?」
昼時、手で顔を扇ぎながら綾が言った。
『うん、暑いね。』
「葉瑠、綾さん!!」
不意に名前を呼ばれ、教室の出入り口に顔を向けると、柚樹と水樹が並んで手を振っていた。
「お~うっ!」
元気よく返す綾が一瞬男に見えた。
1ヶ月の間に色んな変化があり、あれほど綾が苦手だと言っていた柚樹は、綾との共通点を見つけたらしく、それ以来急に仲良くなった。
さん付けなのは水樹に呼び捨てにするな、と言われたから、らしいけど…。
仁は相変わらず無口で、曲ばっかり聞いてるけど、みんなと上手く距離を置き付き合ってるみたいだった。
特に水樹とは気があうのか、時々話してるのを見かける。そんな私は、水樹と綾にくん付けを止めて欲しいと言われ、素直に従った。
例年より暑くなると天気予報士が言っていた通り、今年の夏は蒸し暑い。
勉強に身が入らず、開け放たれた窓から入る日差しで、ノートは燃えそうな程熱くなっていた。
半分だけ日焼けしたら嫌だなぁ…
黒板に目を遣りながら、頭の片隅ではそんな事を考えていた。
「暑くない?」
昼時、手で顔を扇ぎながら綾が言った。
『うん、暑いね。』
「葉瑠、綾さん!!」
不意に名前を呼ばれ、教室の出入り口に顔を向けると、柚樹と水樹が並んで手を振っていた。
「お~うっ!」
元気よく返す綾が一瞬男に見えた。
1ヶ月の間に色んな変化があり、あれほど綾が苦手だと言っていた柚樹は、綾との共通点を見つけたらしく、それ以来急に仲良くなった。
さん付けなのは水樹に呼び捨てにするな、と言われたから、らしいけど…。
仁は相変わらず無口で、曲ばっかり聞いてるけど、みんなと上手く距離を置き付き合ってるみたいだった。
特に水樹とは気があうのか、時々話してるのを見かける。そんな私は、水樹と綾にくん付けを止めて欲しいと言われ、素直に従った。