ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 私の願いは届くことなく、雨は放課後まで降り続いた。
部室に顔をだすと、水樹くんに声を掛けられた。


「よう!」


『繭乃くんは暗室?』


「いや、珍しくまだ来てない」


『なにかあったの?』


「何もないよ、ただ雨の写真撮るって学校中走り回る、らしい」


『雨の写真……』


窓に目を向け、落ちてく雨を眺めた。どうやって撮るんだろう?そんな事を思いながら、カバンからカメラを取り出した。
 始めは撮った写真を眺めてるだけだった。
慣れるために撮った写真は数えるほどしかなく、すぐに見終わってしまい暇になった。


『終わっちゃった…』


ふと目に付いた水樹くんにレンズを向けると、構わずシャッターを押した。
 カシャカシャ音がなる中、平然とマンガを読む水樹くんの集中力に半ば呆れていた。
撮った写真を確認してると、写真を撮り終えたのか繭乃くんが来た。


『お帰りなさい』


「…あ、うん。」


生返事の後 珍しく暗室には入らず、後ろの本棚横で窮屈そうにしてるもう一つのソファーに腰を下ろした。