ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 それから一週間が過ぎ、本格的に梅雨入りを告げた。


『行ってきます』


折り畳みだけを持ち家をでると、十字路が近付く度鼓動が大きくなっていった。


『居るわけないのに』


 その日、雨は昼前に降り出し、どこでお昼を食べるかをメールで話していた。その結果、今日はバラバラに食べることに決まった。


『どうしよう』


呟くのとほぼ同じタイミングで、仁が立ち上がるのが見え、とりあえずついて行く事にした。
どこに行くんだろう?
後を付けながら、梅雨の間ずっとこんな風になるのかと考えたら、ため息が出た。


「どこまで付いてくんだよ?」


ひたすら階段を上がってると、人気のない所でそう聞かれた。


『どこまでも』


「教室で食えよ!」


『ヤダ』


「なんで?」


『だって、1人じゃん』


「はっ?!」


『友達少ないし、仁といる方が楽だから』


「……行くぞ」