ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「水樹ここで食べたいそうです。どうしましょう?松本さんも待ってるだろうし」


『私は柚樹と仁が良いなら』


「緒方さんは?」


返事を待つ間がすごく長く感じた。


「俺は別に……」


「そうですか」


喜ぶ水樹くんと、沈む柚樹。対照的な二人を見てると、仁が口を開いた。


「でも、今日は保健室で食べて」


「えっ?!」


「保健室、行った方がいいと思うよ。あの浦田って先生結構色んな生徒に手出してるって噂聞くし……」


「柚樹、明日にするわ」


仁の話を聞いた水樹くんは、顔を引きつらせもの凄い速さで校庭を抜けていった。


『あんな嘘ついてバレたらどうするの?』


「別にいいんじゃね?信じてるし、浦田は相手にしなねーだろ」


「あれ、嘘なんですか?」


『あんな噂聞いたことないし、実際にそんな噂があったら保健室いけないって!』


「ああ、確かに」


納得してる柚樹に、仁が私にだけ聞こえるよう「中村が嫌そうだったから」と呟いた。
 少し遅れたお昼を食べながら、いつもと変わらない時間を過ごした。