ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

帰り際部室に向かう繭乃くんに偶然会い、なんて言おうか考えていると、仁が来て変わりに話してくれた。
それを聞いた繭乃くんは、「僕はひとりでも大丈夫なので、帰っていいですよ?」と言ってくれた。


『ありがとう』


「いえ、気をつけて」


軽くお辞儀をすると、暗闇に吸い込まれるように廊下を歩いていった。


『じゃあ、帰ろうか?』


「うん」


げた箱がある方へ向かって歩き出した時、仁に腕を掴まれた。


『なに?』


「ちょっと」


『なに?どうしたの?』


そのままげた箱と逆方向に引っ張られ、訳も分からずついて行くと、保健室の前で止まった。


『保健室?』


「連れてきました」


中に入ると、珍しく浦田先生がそこにいた。
「ご苦労様」と声をかけると、私を椅子に座らせた。


「あれから痛みは?」


『少しありましたけど、大分良くなりました。』


「そう?でも念のため病院で検査してくださいね、何か合ってからじゃ遅いから」


『分かりました』


いつもチャラい先生が、この時はだけちゃんとして見えた。