ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ？

『行こうか？』


私が立ち上がると、仁を呼びに向かった。
　いつもなら気にならない周りの視線が、今日に限ってやたらと気になっていた。また噂話でも作っているんだろう、その場に居づらくて教室の外で待つことにした。


「──葉瑠？」


壁にもたれかかり２人が来るのを待っていると、無邪気な笑顔が現れた。


「ここにいたんだ」


『うん、なんかいつもは気にならないモノが気になって……』


「そう」


何も分かってなさそうなのに、それ以上は聞いてこず、いきなり水樹くんの話を始めた。
　あれから二人は両親が驚くほど仲良くなり、２人で居ることが増えたんだと嬉しそうに話していた。