ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『子供みたい』


そう呟くと、柚樹の髪を撫でた。


「葉瑠?」


いきなりの事に驚きながらも、子犬のようにジッと私を見ていた。


『よしよし』


「僕、それ嫌い」


今度はムスッとして俯いてしまった。それからはいくら話しかけても、頬をつついてみても、柚樹の機嫌が良くなることはなかった。


『……サボろうかな?』


「僕も…」


独り言のつもりだったのに、隣から小さくそんな声が聞こえ、笑ってしまった。


『ダメだよ』


「どうして?」


『後が怖い』


そう言って前を指さすと、水樹くんがコッチを見ていた。


「お兄ちゃん……」


『ねっ?』


 教室の前で2人と別れ、綾と共に教室に入ると自然と目が仁の姿を探していた。


「緒方気にする前に、自分の体気にしなさいよ!」


ため息混じりにそんな事を言われ、苦笑いするしかなかった。