夕日が差し込む室内、嬉しそうでどこか照れくさい2つ並んだ笑顔にシャッターを切った。


「葉留、こんな時間までつき合ってくれてありがとう」


『ううん、良かったね』


「うん」


 二人と別れてから急いで教室へと向かった。


「なんだ、まだ帰ってなかったのか?」


教室に着くか着かないかの所で話し声が聞こえ、ドア越しに中を覗くと、先生が仁に話しかけている所だった。


「誰か待ってるのか?」


「まあ……」


「ちょうどいい、暇ならそっちの窓締めてくれ!」


「あ、はい」


それが終わるのを待っていると、再び声がした。


「ちゃんと閉めたな!?よし」


最終確認が済み、先生が私の方に近づいてきた。


『どうしよう……』


逃げる事もできず、ジッとしていると、出てきた先生と目があってしまった。
 苦笑する私に、状況を察したのか何も言わずに通り過ぎ「お前も帰れよ!」の言葉を残し隣の教室に消えていった。


「いたのか」


『うん』


「そっか」


短いやりとりのあと、カバンを掴む仁の手元を眺め、そのまま教室を出た────


「なんでそんな所にいんだよ?」


後ろを歩く私に仁が言った


『なんでだろ?』