「だから、教える代わりに条件付をつけた」
『条件?』
「その人、学校ではちょっとした有名人でね、勉強を教えながら柚樹の事を話したんだ。
先輩は“何もせずに待ってろ。ただし、何も訊くな、何も探るな”そう言った。そして、その日を境に柚樹に笑顔が戻り始めた」
『その先輩は何をしたの?』
「最後まで教えてくれなかった。
噂で聞いた話には、倉庫裏に連れて行かれてヤバい写真撮られたとか、ボコられたとか、色々あったけど。とりあえず先輩は無事志望校に合格した」
『凄いね』
「そして、先輩が卒業する時“今度はお前が守ってやれ”って封筒を渡された。“その時が来るまで中は見るな”って」
『中身、見たの?』
その問いに、首を左右に振った。
「二年になり俺達は、同じクラスになった。
あの3人とは別々になり、もう柚樹がイジメにあうことはなかった。
そして俺は俺なりのやり方で柚樹を守る事にした。ワザと髪を染め、目立つ行動を取った」
「僕はそんな水樹が嫌いだった」
突然口を開いた柚樹は、子供のように口を尖らせムスッとしてた。その姿を見て、水樹くんは優しく「そうだったな」と言った。
「ワザと目立てば、嫌でも俺の存在に気づくだろ? それからもっと遠ざけるために、あの3人と行動を共にした」
その話に驚いていたのは、私だけではないらしい。目を丸くし、水樹くんを凝視する柚樹は、言葉を失っていた。
「ほら、一緒にいれば監視出来るし!まぁ、俺が一緒にいるだけでかなり嫌な思いしただろうけど」
『条件?』
「その人、学校ではちょっとした有名人でね、勉強を教えながら柚樹の事を話したんだ。
先輩は“何もせずに待ってろ。ただし、何も訊くな、何も探るな”そう言った。そして、その日を境に柚樹に笑顔が戻り始めた」
『その先輩は何をしたの?』
「最後まで教えてくれなかった。
噂で聞いた話には、倉庫裏に連れて行かれてヤバい写真撮られたとか、ボコられたとか、色々あったけど。とりあえず先輩は無事志望校に合格した」
『凄いね』
「そして、先輩が卒業する時“今度はお前が守ってやれ”って封筒を渡された。“その時が来るまで中は見るな”って」
『中身、見たの?』
その問いに、首を左右に振った。
「二年になり俺達は、同じクラスになった。
あの3人とは別々になり、もう柚樹がイジメにあうことはなかった。
そして俺は俺なりのやり方で柚樹を守る事にした。ワザと髪を染め、目立つ行動を取った」
「僕はそんな水樹が嫌いだった」
突然口を開いた柚樹は、子供のように口を尖らせムスッとしてた。その姿を見て、水樹くんは優しく「そうだったな」と言った。
「ワザと目立てば、嫌でも俺の存在に気づくだろ? それからもっと遠ざけるために、あの3人と行動を共にした」
その話に驚いていたのは、私だけではないらしい。目を丸くし、水樹くんを凝視する柚樹は、言葉を失っていた。
「ほら、一緒にいれば監視出来るし!まぁ、俺が一緒にいるだけでかなり嫌な思いしただろうけど」


