ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『答えたんだから、今度は仁が質問に答えてよ!』


「質問なんだっけ? 好きなオニギリの具?」


『それも気になるけど、さっき寝てたの?』


「フッ、気になんだ。
んー寝てたっぽい。
なんか、気持ちよくてつい。 普段人がいる前じゃ眠れねぇんだけど…お前」


『人ですよ?』


ニッコリ笑って、仁より先に答えた。
どうせ“お前人間じゃないのか…”って言うに決まってる。
でも、仁が普段人前で眠れないって言った時、正直嬉しかった。
それって私に心を許してる事になるのかな?…


「なにニヤケてんの?」


『気になる?』


「いや。」


『…仁ってさ信じられる友達とかっている?』


「なんで?」


一瞬仁の顔が曇った気がした。


『なんとなく。』


「…それは、今気になる事?」


『うん。』


仁はため息をつき、一言「いない。」と言った。


『ふ~ん。今、ウザイって思った?』


「うん。」


『フフッ…仁は素直だね。 さて、そろそろ行こうかな。』


立ち上がりスカートに落ちた桜の花びらを払い、無理やり作った笑顔で『またね!』と言った。
仁は私と目を合わせようとはしなかった。…──