「仲間になれたんだって嬉しかった。でも違かった。イジメる対象を探してたんだよ。
体に走る痛みや、奥に残る鈍い痛みを堪えながら、嘘だと、夢なんだと信じたかった。」
その横顔を見てると胸が苦しくて、見ていられなかった。柚樹は言葉を詰まらせ、当時の事を話すのを止めた。
「後は、俺が話すから」
その後は水樹くんが話してくれた。
私がいなかったら、嫌な記憶を思い出さずに済んだのに……そう思う反面、ちゃんと見届けようと思った。
「俺が気づいたのは、ずっと後だった。誰もいない教室で泣いてるのを見つけて、ただ泣くだけの柚樹を問いただした。
でも柚樹は答えてはくれなかった。
柚樹に何が起きているのか知ったのは、偶然だった。偶然柚樹のクラスメートが話してるのを聞いてショックだった」
鼻をすする柚樹は、ずっと俯いていた。
「俺は、柚樹に何が起きてるのか知りたくて、入れ替わった。
柚樹が風邪を引いて学校を休んだ時、母さんに頼んで“中村水樹”の名前だけを休ませ、俺は中村柚樹として学校へ行った」
体に走る痛みや、奥に残る鈍い痛みを堪えながら、嘘だと、夢なんだと信じたかった。」
その横顔を見てると胸が苦しくて、見ていられなかった。柚樹は言葉を詰まらせ、当時の事を話すのを止めた。
「後は、俺が話すから」
その後は水樹くんが話してくれた。
私がいなかったら、嫌な記憶を思い出さずに済んだのに……そう思う反面、ちゃんと見届けようと思った。
「俺が気づいたのは、ずっと後だった。誰もいない教室で泣いてるのを見つけて、ただ泣くだけの柚樹を問いただした。
でも柚樹は答えてはくれなかった。
柚樹に何が起きているのか知ったのは、偶然だった。偶然柚樹のクラスメートが話してるのを聞いてショックだった」
鼻をすする柚樹は、ずっと俯いていた。
「俺は、柚樹に何が起きてるのか知りたくて、入れ替わった。
柚樹が風邪を引いて学校を休んだ時、母さんに頼んで“中村水樹”の名前だけを休ませ、俺は中村柚樹として学校へ行った」


