ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ？

「その前に、葉瑠にも分かるように説明しなくちゃね。何があったか」


そこにあるのは、いつもの優しい柚樹だった。


「中学生になった僕らは、初めて別々になった。いつも一緒で、同じ教室で……」


記憶を辿りながら話す柚樹は、ゆっくりと椅子に腰を下ろした。


「やっとクラスに慣れた頃には、既に仲良しグループが幾つか出来ていて、それに乗り遅れた僕は１人でいることが多くなった。葉瑠みたいに本を読みあさったりして」


ニッコリ笑う柚樹に、どんな顔をしたらいいか分からなかった。


「その変化に気づいたのは……」


「俺だった。柚樹が一人で居るのを見かけて、なるべく一緒にいるようにした」


柚樹の代わりに話す水樹くんの表情は暗かった。
そして、再び柚樹に変わった。


「そんな時だった。俺達の所こいよ!って、話しかけられたんだ。
でも、初めから友達になる気なんて無かったんだ。
何も疑わず過ごしていたある日、いつもココで授業サボったりしてるんだ。って誰も来ないトイレに連れて行かれた」