ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 27日、快晴。
ついにこの日がきた。
教室にいても落ち着かなくて、ソワソワしてると、綾に話しかけられた。


「ねぇ、水樹と同じ部なんでしょ?」


『うん。中村くんに聞いたの?』


「水樹でいいよ、私の事色々訊いてるみたいだし」


『本当に愛されてるね?』


「ありがとっ。今日頑張ってね?」


『何かあったっけ?』


「放課後の、水樹が感謝してた。迷惑かけてごめんね?」


『ううん。柚樹を部室に連れてくだけで、私は何も出来ないから』


「嫌われてるのに弟が好きだなんて呆れるよね?」


綾はそう笑い「でも」と目を伏せた。


「後悔はしてないんだって。時々ね、寂しそうな顔で私には見えない何かを見てる時があるの。
多分、思い出してるんだろうね?あの日の事……」


『事情はよく分からないけど、無事仲直りしてくれるといいな』


「うん」


少しの沈黙のあと、タイミングを計ったようにチャイムが鳴った。


「じゃあね?」


『うん』