ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「ちゃんと鍵を閉めてくれるなら」


「ありがとう」


「君に礼を言われると、気持ち悪いですね……」


「今のが最後だな」


言葉を交わしただけで笑い合える2人を羨ましく思い、淡々と進められる話を頭に叩き込んだ。
 27日の木曜日、放課後に柚樹をつれてくる。それが私に任せられた役目だった。


「うまくやれよ!」


帰り際ポンと肩を叩かれ、とりあえず頷いた。


「あれどうなった?」


『柚樹たちの事?』


「うん」


『少し進展した。27日は遅くなるから、待ってなくていいよ?』


「いや待ってるよ」


『いいよ』


嬉しかったけど、初めから断る事に決めていた。
時間が掛かりそうな気がしていたから。


「勝手に待ってるから。てか、遅くなる日に一緒に帰らないでどうすんだよ」


髪の間から覗く耳が、恥ずかしそうに赤く染まってるのを見て、素直に甘える事にした。


『じゃあ、よろしくお願いします』


丁寧に頭をさげ、満面の笑みを浮かべ顔を上げると、視線を迷わせ「お、おう」と言った。
その日、仁の隣に並んで歩いた。