『気になってますよ?ずっと前から気になってます。でも、無理に聞いた所で私には何も出来ないですから』
「……じゃあ、協力してよ」
『何をですか?』
「柚樹との事」
『私に出来る事なら』
珍しく真剣な顔をする水樹くんに、読んでいた本を閉じた。
「もういいかなって思うんだ。」
そう言ってソファーに寄りかかり、静かに話し始めた。
「俺と柚樹の仲が悪くなったのは、中学生の時。ある事がキッカケで、ずっとすれ違ったまま今まで来た。ケンカしたとかならまだいいんだけど、これでも昔は仲がよかったんだよ」
思い出返してフッと笑うその顔は、話すにつれて寂しそうな表情に変わっていった。
「中1になって学校にもクラスにも慣れ始めた頃の事だったから、今でも鮮明に思い出せる。
その時言われた言葉、風景、匂い、感触、空気。全て覚えてる。
でも、もう時効だよな?」
『……。』
何も言えなかった。言葉も見つからず、ただ聞いていた。
「楓ー、部室借りていいか?」
暗室に向かって声を掛ける水樹くんを見て、繭乃くんの存在を思い出した。
いつも暗室に籠もってるからか、時々存在を忘れてしまう。
「……じゃあ、協力してよ」
『何をですか?』
「柚樹との事」
『私に出来る事なら』
珍しく真剣な顔をする水樹くんに、読んでいた本を閉じた。
「もういいかなって思うんだ。」
そう言ってソファーに寄りかかり、静かに話し始めた。
「俺と柚樹の仲が悪くなったのは、中学生の時。ある事がキッカケで、ずっとすれ違ったまま今まで来た。ケンカしたとかならまだいいんだけど、これでも昔は仲がよかったんだよ」
思い出返してフッと笑うその顔は、話すにつれて寂しそうな表情に変わっていった。
「中1になって学校にもクラスにも慣れ始めた頃の事だったから、今でも鮮明に思い出せる。
その時言われた言葉、風景、匂い、感触、空気。全て覚えてる。
でも、もう時効だよな?」
『……。』
何も言えなかった。言葉も見つからず、ただ聞いていた。
「楓ー、部室借りていいか?」
暗室に向かって声を掛ける水樹くんを見て、繭乃くんの存在を思い出した。
いつも暗室に籠もってるからか、時々存在を忘れてしまう。


