ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『─ごちそうさまでした。』


きっちり両手を合わせ、小さくお辞儀をしふと隣を見ると、木に寄りかかり腕を組んで俯く仁の姿があった。
……寝てるのかな?


『仁?』


「……。」


名前を読んでも、ホッペをつついても、髪の毛をいじってみても、仁からは何の反応もなかった。


『…ちゃんと生きてる?またなんか聞いてるのかな?』


そう思いイヤホンのコードを探して見たけど、見あたらないのを見ると、どうやら違うらしい。
 前髪が長すぎて寝てるかすらわからず、急に手持ち無沙汰になり、ポケットから携帯を出すと、寝てるであろう仁にカメラを向け思いっきりシャッターを切った。


『撮れた。』


「…盗撮してんじゃねぇよ。」


撮った写真を眺めてると、シャッター音で目が覚めたのか、仁に盗撮疑惑を掛けられた。
完璧盗撮だけど。


『寝てたの?』


「質問に答えなさい!」


『確かに撮りましたよ。いけませんでしたか?』


唇を尖らせると「怒るの逆だから、てか逆ギレかよ」とごもっともな返事が帰ってきた。