ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「何かあった?」


その日の帰り道、並んで歩く事にまだ違和感を残しながら、仁からの言葉に顔を上げた。


『どうして?』


「写真部入ってから変だから」


『私は成長出来ているのでしょうか?
最近、毎日に付いてくのもやっとで、お昼休みもあっという間で、授業もなんかイマイチ集中出来なくて……』


「俺も、最近時間が短く感じる。でもそれって、楽しい時間が多いからだろ?」


『楽しい時間……』


「あんま悩むなよ」


『うん、ありがとう』


なんて明るく言ったけど、私だけ置いていかれてるって感じてるのは変わらなかった。


「お前は、ちゃんと成長出来てると思うよ?」


『えっ?』


「前みたいに何で?とか気になる。って所構わず首突っ込んで相手困らせる事もなくなったし、他人の事もよく見てると思う」


照れてるのか、私と目を合わさない仁に『ありがとう』を伝え、話題を変えた。


『柚樹に兄弟がいるって知ってた?』


「あぁ、兄貴だろ?」


『うん。』


「それがどうかした?」


『実は柚樹のお兄さんと同じ部で、言わないで欲しいって頼まれてるんだけど、柚樹の顔見る度言っちゃいそうで……』


「言っちゃえば?」


『え?』


「何か起きるかもよ?」