ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

 昼休みが終わり、教室に戻る廊下で見覚えのある人とすれ違った。
階段下で繭乃くんと会った時にいた、綾の彼氏。
茶色い髪がやたら目立つその隣には、繭乃くんがどこか不満そうに並んで歩いている。


「またそれですかぁ」


すれ違った時、繭乃くんのためいき混じりの声が聞こえ、綾の彼氏と目が会った。一瞬ニヤリと笑った気がしたけど……


『気のせいだよね? うん、気のせい』


「葉瑠!」


教室の手前で綾に会い、彼氏とすれ違った事を伝えると、いきなり肩を捕まれた。


「何もされなかった?」


『えっ?!』


真剣な顔で迫る綾に、頷くとそれをみて安堵した。
 予鈴が鳴り教室に消えてく生徒と供に私達も教室に入った。


「また、あとでね」


『うん』


 席についくと急に眠気に襲われた。ご飯を食べた後の授業はすべて子守歌に聞こえる……
ウトウトしてると、カクンっと落ちた拍子に首を痛めた。


『アッ…』


「大丈夫か?」


その声に隣を見ると、高橋が心配そうな顔で私に話しかけてきた。


『うん』


恥ずかし過ぎて目も合わせず頷くと、わざとらしく授業に耳を傾けた。
 暫くして笑い声が聞こえ隣を見遣ると、両手で口を塞ぎ笑いを堪える高橋の姿が目に入った。
目を細め睨むように高橋を見ると、目が合った高橋は手だけで「ごめん」と謝るった。
 確かにウトウトしてた私が悪いけど、そんな笑わなくても……