ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『飽きないかって言われたらいつかは飽きると思うけど、私は好きなモノを食べてるだけだから…飽きたらその時考えるだけ。でも、今日は迷ったんだよね…ツナと鮭』


「くだらねぇ」


呟くように言った仁は、グラウンドでサッカーをする生徒の姿を、どこか羨ましそうに眺めてた。


『混ぜてもらえば?』


「いい。」


その後、柚樹に2度目の質問をされた。


「ずっと気になってたんだけど、いつ買ってるの?」


『これ?』


「うん、お昼になってから来るの早いし、袋も毎日同じ所のだから、買う暇あるの?」


『近くにコンビニがあるんだけど、お昼になってから取り置きしてくれてるのを買いに行くの』


「オニギリの取り置き?」


微苦笑する柚樹に頷いた。


『そこの店員さんがね、「学校がある日だけ取り置きしておきましょうか?」って言ってくれて』


「へぇ~…」


納得以前に聞いてるのか、お弁当を広げ相づちをうつ柚から目を離し空に向けた。
ザワザワと揺れる緑の葉が、始まったばかりの5月の風の中を泳いでいるようだった。