ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

すると、ずっとぶっちょう面の私に、ついに柚樹が吹き出した。


「緒方さん、やりすきですよ!」


「そうか?」


「そろそろ離してあげてください」


苦笑する柚樹と、悪気の無い顔をする仁のやりとりを、目で追いながら離してくれるまで大人しく待ってみた。


「緒方さん聞いてます?」


隣からものすごい視線を感じ、目を伏せると「聞いてる」と返事をした後も、離してくれる様子はなかった。
それでもジッと待ってると、なにも言わず離してくれた。


『なんか、変な感じがする…』


頬をマッサージしながら、チラッと仁を見ると何食わぬ顔でグラウンドを見てた。


「また、同じ」


『同じ? なにが?』


柚樹に向き直ると、笑顔で私の膝を指差した。


「いつも同じオニギリなんだね、飽きない?」


食べかけのツナと、梅オニギリを見ながら、口元に笑みを浮かべた。


『さっき、仁にも同じ事言われた。』


「えっ?!」


オニギリを手に取りラベルを見ながら、二人にされた質問を2人に向けて答えた。