『2人目?』
「はい、一番はそこにいる彼に言われました。お前の写真は素直でいい!と」
現像が終わり暗室から出た時、ソファーには誰もいなかった。
結局、顔も名前も分からないままその日の見学は終了し、入部するか否かはもう少し考えてからにする事にした。
『あ、中村くんって人が誰なのか聞くの忘れた……』
繭乃くんとサヨナラしたあと、まだ明るい空を見上げ、なんとなく階段を上がった。
まだ校内に残る生徒を横目に、自分の教室に向かって歩いた。
『誰か居るのかな?』
そっとドアを開けると、生徒1人だけが残っていた。
声を掛けると、耳にはめたイヤホンを取りながら、ゆっくり振り向いた。
「お前か」
『なにしてるの?』
「帰り支度」
『ふ~ん。見学してきたよ?写真部』
「そう」
私から顔を背けると、出口に向かって歩きだした。その時不意に【緒方さんも心配してたよ?】そんな柚樹の言葉がよぎり、とっさに制服の裾を掴んでいた。
「……なに?」
『あっ!ごめん』
離した手を見つめたまま暫く立っていた。
「はい、一番はそこにいる彼に言われました。お前の写真は素直でいい!と」
現像が終わり暗室から出た時、ソファーには誰もいなかった。
結局、顔も名前も分からないままその日の見学は終了し、入部するか否かはもう少し考えてからにする事にした。
『あ、中村くんって人が誰なのか聞くの忘れた……』
繭乃くんとサヨナラしたあと、まだ明るい空を見上げ、なんとなく階段を上がった。
まだ校内に残る生徒を横目に、自分の教室に向かって歩いた。
『誰か居るのかな?』
そっとドアを開けると、生徒1人だけが残っていた。
声を掛けると、耳にはめたイヤホンを取りながら、ゆっくり振り向いた。
「お前か」
『なにしてるの?』
「帰り支度」
『ふ~ん。見学してきたよ?写真部』
「そう」
私から顔を背けると、出口に向かって歩きだした。その時不意に【緒方さんも心配してたよ?】そんな柚樹の言葉がよぎり、とっさに制服の裾を掴んでいた。
「……なに?」
『あっ!ごめん』
離した手を見つめたまま暫く立っていた。


