ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「他にも、レイラとか、Change the…ってわかんねぇか」


『ごめん聞いたことないや… でも、今知って今ファンになった!』


「はやくね?」


『知るのに早いも遅いも無くない? 好きなものは好きだし、嫌いな物は何をしたって嫌いなんだから。』


「…まあ、確かに。」


半ば強引に納得させた感はあるけど、言った言葉に嘘はない。嫌いな物は何をしても嫌いだから。
 袋の中からオニギリとお茶のペットボトルを出し、膝に乗せると「それ昼飯?」と聞かれた。


『そうだよ?』


「へぇ~…手作り弁当とかじゃねぇんだ。」


『うん。…仁はお昼食べたの?』


オニギリのフィルムをはがしながら聞くと「ん。」と短い返事がきた。


『…半分食べる?』


「はっ?なんで?」


『いや、なんとなく…食べる?ツナだけど。』


「いいよ。」


『いいから、あげるツ・ナ』


半分にしたオニギリを無理やり仁に渡した。
仁は戸惑いながらも受け取ると、「ツナって強調し過ぎじゃね」と一口でそれを食べた。