あなたしかいない。



「はい、コーヒー」

「あ、ありがとう」


互いにコーヒーを飲む音が、
静かに部屋に響いていた。

あったかくて、おいしい。
素直に思って懐かしかった。


「いつもこんな遅いの?」

飲みながら、仁が私に聞く。
―今日は大学の課題の残り。
私がそう言うと、夜遅いから
気をつけろよって仁は言った。