あなたしかいない。



「可哀想、騙されたんだ」


仁の髪が風になびいて、
何だか綺麗だった。


違うよ、私が馬鹿なだけ。


「あ、あいつじゃん」


仁が屋上から先輩と
女の先輩を指差す。

先輩、授業サボってまで
一緒にいるんだ。