まだ終わってない課題を
居残りで終わらせた、
―大学の帰りだった。


冷たい雨が降る道路を、
ゆっくりと歩く。

真赤な傘をくるくると回し、
夜遅くなると寒いなあ、
そんなことばかり考えていた。


「-美月?」


その声を、聴くまでは。